保健婦活動—こころに残るこの1例
看続けることの素晴らしさ
堀 弘子
1
1神奈川県大和保健所
pp.859
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900243
- 有料閲覧
- 文献概要
〔Mさんとの出会い〕
リハビリ教室で楽しそうにボール渡しをしているMさん(男性,55歳),そのそばにはMさんをにこやかに見守る妻.1年前には考えられない光景である.Mさんとの出会いは,8年前.寝たきり老人であったMさんの父親を保健婦が訪問し,そこでMさんの存在を知った.神経ベーチェットに侵され,その時すでに目が見えない・話せない・歩けない・尿が出ない状態にあったMさん.外部との接触を全く拒否し,閉じにもったままの生活,保健婦との面会もかたくなに拒み,会えない日が続いた.そのため,私は妻の介護支援に重点をおき,Mさんの様子はその都度聞き出すようにしていた.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.