特集 痴呆性老人の地域ケア
地域ケアの試み—兵庫県医師会の経験
浜西 寿三郎
1
Jusaburo HAMANISHI
1
1兵庫県医師会
pp.397-400
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900113
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■はじめに
高齢化社会の進展とともに,痴呆性老人の問題が大きな社会問題としてクローズアップされ,それへの対策が各方面において急務とされている.兵庫県医師会ではこのような情勢を受けて,昭和62年2月より本会内に痴呆性老人対策会議を設け,この問題に対処するために,医師会として何をなすべきか,また何が出来るかを真剣に検討した結果,まず県下の実情を十分に把握することが先決であり,このような基礎的調査の土台の上にたって対策を考えるべきとの結論に達した.これを受け,同年7月まず全会員に痴呆性老人の概念を知っていただくため,約20頁の「痴呆性老人診断の手引き」を配布し,その後同年10月本会全会員を対象にし,悉皆調査を行った.
この調査は医師に御記入いただく調査に並行して介護者の意見をも調査したが,このような試みは今までほとんど行われたことはなく,貴重なデータを得ることが出来た.診療所よりの回答率は64.1%,病院よりの回答率は62.4%であった.
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