連載 All about 日本のワクチン・9
百日咳含有ワクチン—成人を中心に
岡田 賢司
1
1福岡看護大学大学院看護学研究科
pp.930-933
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210134
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1.当該疾患の発生動向
百日咳は、2018年1月から感染症法で五類感染症(全数把握疾患)に改定され、検査で確定診断した医師全てに報告が求められている。2018年の報告数は11,190(週平均219)人、2019年15,972(同313)人であったが、新型コロナウイルス感染症の影響も想定され、2020年2,671(同51)人、2021年712(同14)人、2022年499(同10)人と大きく減少した。罹患年齢は各年ともほぼ同じ傾向で、5〜14歳の小児が全体の約3分の2を占め、30〜40歳代の成人が約4分の1、重症化しやすい乳児が約10%であった。
4回の百日咳含有ワクチン接種歴がある症例は全体では約60%で、特に5歳から14歳では約80%であった。現行の小児のみのワクチン接種のスケジュールでは、百日咳の制御が難しいことを示している。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.