映画の時間
—私だけの十字架を探して—ペトルーニャに祝福を
桜山 豊夫
pp.493
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209664
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32歳にもなって定職もなくアルバイトをしながら実家で暮らす女性ペトルーニャ.そんな彼女に就職先を探してきた母親に,面接試験を受けに行くよう迫られる場面から映画が始まります.大学を出てから,今までに何度も面接試験を受けているようですが,自分の望む職には就けないでいるようです.
反発するものの,母親に言われるように綺麗な服を着て,渋々面接に出掛けるペトルーニャに対し,彼女を追ってきた母親はさらに「本当の年齢を言ってはいけない,25歳と言うのよ」と言います.ペトルーニャでなくても絶望的になるような出だしです.案の定,面接はうまく行かず,しかも面接担当の男性からもからかわれ,最悪の気分で家に戻る道すがら,ペトルーニャは,十字架を掲げて進むお祭りの集団に巻き込まれます.
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