連載 今さら知らないといえない 科学技術イノベーション—iPS,AIを説明できますか・1【新連載】
科学技術イノベーション概論
山縣 然太朗
1
1山梨大学大学院総合研究部医学域社会医学講座
pp.411-415
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209411
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はじめに
ゲノム研究,iPS細胞研究,生殖医療技術などのバイオ研究・技術の飛躍的な進歩は,それらが社会実装されるとともに,公衆衛生の領域にも大きな影響をもたらすことは論をまたない.一方で,ICT(information and communication technology.情報通信技術)が情報革命をもたらしつつあり,さまざまな恩恵をもたらすとともに課題も出てきている.さらに,AI(artificial intelligence.人工知能)技術などの科学技術が急速に社会実装されており,人間社会が果たしてこれらに追いつけているのか,疑問さえわいている.
本連載企画は,先端の科学技術の基本知識を得ることを一義的に,公衆衛生活動への影響を恩恵とともに,倫理的,法的,社会的課題について予測することを目的として企画した.公衆衛生の専門家が地域の住民に対して最先端の科学技術を簡潔に説明できるように,社会との接点も含めて分かりやすく説明する.また,科学技術イノベーションが公衆衛生活動に果たす役割や,新たな連携の在り方についても解説していく.
今回は科学技術イノベーション政策に関連する用語を取り上げ,科学技術イノベーション政策が公衆衛生にどのように関連するのかについて概説する.
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