映画の時間
—無垢な魂は,悲しみの羽をもつ—少女は夜明けに夢をみる
桜山 豊夫
pp.853
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209276
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少女が黒インクで指紋を採取される場面から映画は始まります.採取が終わると,顔写真の撮影.何か犯罪でも犯したのでしょうか,少女は「ISOLATE」(隔離区域)と表示された区域に連れていかれます.
場面は変わって,少女たちが中庭で楽しそうに雪合戦をしています.学校のようでもありますが,舞台となるのはイランにある未成年の女性を収容する更生施設.収容された一人の少女がインタビューに答えて,施設に収容された経緯を語ります.彼女の姉が叔父から虐待(性的虐待と思われます)を受け,それが2年間続き,その事実を知った母親が精神的に不安定になり,少女に暴力をふるうようになりました.そのため家出をし,その後,家に戻ると,叔父が今度は少女に対して,姉に対して行ったのと同じような虐待を続けたため,また家出をしたところ,「放浪罪」という罪名で収容されたようです.
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