連載 世界に届け! Boshi-Techo・1【新連載】
日本の母子手帳,世界へ—Boshi-Techoの誕生
神馬 征峰
1
1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室
pp.840-845
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209271
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母子手帳の誕生
母子手帳は,日本では今や当たり前のものとなっている.それが当たり前になる70年以上も前のこと,連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の支配下にあった厚生省児童局母子衛生課の職員は一つのアイデアを実現に移そうとしていた.
「母と子を切り離して考えるのはおかしい.日本の慣行では出生後せいぜい1週間ぐらいまでは産婦人科で,それからこつぜんと小児科が出てくるのはおかしい.新生児死亡の原因などが妊娠中にあるものから増えてくるのだったら,なおのこと,その二つをつながらせなければならない」1).
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