連載 衛生行政キーワード・81
母子健康手帳の改正について
馬場 征一
1
1厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課
pp.333-335
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102401
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母子健康手帳の歴史
母子健康手帳はその歴史を紐解くと,1942(昭和17)年「妊産婦手帳」まで遡る.当時の「妊産婦手帳規定」(昭和17年7月13日厚生省令第35号)では,「妊娠した者の届出と妊産婦手帳の交付」,「保健所,医師,助産婦又は保健婦による保健指導の勧奨と診察,治療,保健指導又は分娩の介助を受けたときは所定事項の記載」,「妊娠,育児に関し必要な物資の配給」等を定め,流・早産を防止することや,妊娠及び分娩時の母体死亡を軽減することを主な目的としていた1,2).
戦後の占領下においては,生活物資不足による配給欄の有効性から存続し,1948(昭和23)年には,妊産婦のみならず乳幼児も含め,母子双方の健康管理を行う「母子手帳」(写真)に改正された2).そして,1965(昭和40)年には母子保健法が制定され,「母子健康手帳」と名称が変更となり,社会情勢や保健医療福祉制度の変化,乳幼児身体発育曲線の改訂等を踏まえた様式の改正が10年に一度行われ,今般,今(平成24)年4月からの改正に至っている.
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