連載 ポジデビを探せ!・15【最終回】
ポジデビの両輪:実践も研究も
神馬 征峰
1
1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室
pp.414-419
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208896
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オランダのポジデビ中学校1)
本連載も今回で終わりとなり,総論として締めくくりたいところである.しかし,ポジデビの面白さは各論にある.ある社会的文脈の中で見つけられた,あるいは作り出されたポジデビ行動を知るたびに,私たちは虚を突かれたような感覚に陥る.
「あ〜,そうなのか,そうだったのか」という驚き体験をする.ポジデビの基本テキスト『The Power of Positive Deviance』2)の30頁では“アハ・モーメント”(アハ体験の瞬間)という言葉も用いられている.この驚きなくしてポジデビへの関心は長続きしない.同テキストでは,この体験こそがポジデビのミソであるとすら言っている.そこで今回も,まずは各論から始めたい.まだ紹介していなかった,オランダの中学校におけるメンタルヘルス対策事例である.
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