特集 地球温暖化対策—2020年以降の新たな国際枠組み
地球温暖化防止に向けた市民の取り組み—脱炭素社会に向けた市民のチャレンジ
田浦 健朗
1
1特定非営利活動法人気候ネットワーク事務局
pp.996-1001
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208795
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はじめに
地球温暖化は人類全体が直面している極めて深刻な問題である.その解決のためには,国際関係,国のあり方,地域社会やまちづくり,人々の生活様式を大きく転換させることが求められている.その大きな転換が,望ましい持続可能な社会につながっていくことになるかどうかは,私たち市民の選択と実践にかかっている.持続可能な脱炭素社会を実現し,地球温暖化を防止するための選択肢は国際合意から日常のことまでに関わっており,さまざまなレベルのものがある.また,これまでの経済発展や生活の質の向上を担ってきた既存の制度ではない,逆の方向に向かわなければならない.
上記のような抜本的な転換の担い手の一つとなり得るのが環境NGO(non-governmental organization)である.環境NGOは,適切な選択のための情報共有に取り組んでいる.環境政策や活動において先駆的な試みができることや,多数の支持を得て制度を変えていく影響力を有しているという特色がある.これらの特色を生かすことで,脱炭素社会への転換が可能になるといえる.
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