特集 地球温暖化対策―京都の約束
地球温暖化のわが国への影響
肱岡 靖明
1
1国立環境研究所社会環境システム研究領域統合評価研究室
pp.943-947
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101454
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2007年,気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)の第4次評価報告書(AR4)が公表された1~3).
温暖化を自然科学的な側面から評価する第1作業部会は,気候システムの温暖化には疑う余地がなく,様々な観測データから確認されていることを報告した.また,20世紀半ば以降に観測された世界平均気温上昇は,人間活動による温室効果ガス(GHG)の増加による可能性が「かなり高い」と報告し,第3次評価報告書(TAR)の「可能性が高い」より,さらに踏み込んだ表現を用いている4).
温暖化による影響・適応・脆弱性評価を行う第2作業部会(WG2)は,TAR以降,より多くの観測データセットが過去5年間に蓄積され,それらを分析した結果,多くの物理・生物システムにおける変化が人為起源の温暖化と結びついていると報告している5,6).日本においても,様々な分野ですでに影響が現れていると報告されている7).
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