特集 薬剤耐性(AMR)対策
地域医療におけるAMR問題の認識と,今後,求められる取り組み
青木 洋介
1
1佐賀大学医学部国際医療学講座臨床感染症学分野
pp.816-821
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208757
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はじめに
抗菌薬耐性(antimicrobial resistance:AMR)は,微生物にとっては抗菌薬圧に対する必然的な適応現象であるが,ヒトにとっては医療のあり方に影響を及ぼしかねないグローバルな課題である.抗菌薬を使うことが,本来,健康であるはずの体にどのような支障をきたしているか,徐々に明らかになりつつある.
本稿では,①まず微生物とわれわれがどのような共生関係にあるかを確認し,②抗菌薬適正使用が推奨される理由について述べ,③今後,われわれは抗菌薬をどのように使用すべきであるか,あるいは使用すべきでないかということについて臨床医の視点から述べる.また,医療を医師と患者が相互作用的に作り上げる社会現象として捉える観点からもAMRの問題を考える.
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