特集 精神保健医療福祉の改革
医療観察法の地域精神保健医療への影響と課題
村田 昌彦
1
1独立行政法人国立病院機構榊原病院
pp.843-847
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208548
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医療観察法(正式名称;心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察に関する法律)が2005(平成17)年7月15日に施行されて10年が過ぎた.わが国ではこれまで他害行為を行った精神障碍者に対して精神保健福祉法による措置入院で対応してきた.措置入院は自傷他害が適用要件であること,行政措置であり医療処遇が開始されると刑事的な処遇は終了しがちであること,入院治療内容に基準がない,退院後の治療継続への方策がない,などの問題点が存在していた.
医療観察法(以下,本法と略す)ではこれらの問題点を改善し,患者(本法では対象者と称す)の社会復帰を目指すこととなった.本稿では医療観察法から一般の地域精神保健医療への移行について,法施行後10年間の経過の中で見えてきた成果や課題について検討したい.
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