連載 [講座]子どもを取り巻く環境と健康・7
喫煙,受動喫煙による児への影響—遺伝的ハイリスク群を含む
佐々木 成子
1
,
小林 澄貴
2
,
岸 玲子
2
1北海道大学大学院医学研究科公衆衛生学分野
2北海道大学環境健康科学研究教育センター
pp.637-643
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208262
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喫煙は,がん,心疾患,呼吸器疾患や糖尿病など,様々な疾病を引き起こす最大の危険因子であるが,妊娠中の母親が喫煙すると,流死産や低出生体重(LBW),乳幼児突然死症候群(SIDS)など,子どもの健康に大きな影響を及ぼす.中でも,LBWは成人期における高血圧,糖尿病,循環器疾患等のリスクを高める危険因子の一つである.また,胎児期のみならず,乳幼児期など発達初期においても受動喫煙の影響は大きく,成人してからの疾病や健康に影響を与える要因となっている.近年,薬物代謝に関わる遺伝子多型により疾患に対する個体感受性が異なることが明らかとなり,喫煙の場合も同じ曝露レベルであっても感受性の高い集団がいることが示唆されていることから受動喫煙対策を急ぐ必要がある.
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