特集 医療情報の利活用
扉
pp.581
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208249
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ICTの進展により医療現場は大きく変貌しています.カルテや看護記録は電子化され,さらに画像や臨床検査のデジタル化も進んでいます.レセプト請求も電子化されています.今後は,医療機関内での医療情報の利活用のみではなく,社会的な情報として利活用していくことが課題です.レセプト情報を利活用するデータヘルス事業がすでに進められています.がん登録などの疾病の発生状況や治療成績,予後の把握を行う全国的な体制づくりも進められています.
医療情報を社会的に利活用するためには,医療機関や医療保険者の間に分散している情報を突合し,統一したデーターベースとすることが必要です.医療情報が一つに統合されることになると,個人情報の保護をどうするのか,また情報流出防止策をより万全なものとすることなどが求められます.ベネッセコーポレーションや社会保険庁などの大手の企業や国の機関から100万人以上の個人情報が流出し,情報管理体制は大丈夫なのか大きな懸念がもたれています.医療情報の利活用を進展させていくためには,個人情報保護に関わる法制度や情報管理体制を整えることが大きな課題となっています.
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