連載 いま,世界では!? 公衆衛生の新しい流れ
薬物使用への国際的対策
アンドリュー・ボール
1
,
アネット・ヴェスター
1
,
瀬戸屋 雄太郎
2
,
佐原 康之
3
Andrew BALL
1
,
Annette VERSTER
1
,
Yutaro SETOYA
2
,
Yasuyuki SAHARA
3
1世界保健機関(WHO)本部 HIV/AIDS部
2WHOフィジーオフィス太平洋支援部
3WHO本部
1Department of HIV/AIDS, WHO
2Division of Pacific Technical Support, WHO
3WHO
pp.266-270
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208162
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中枢神経作用薬(以下,薬物とする)の使用は世界中の全ての国において公衆衛生上の重要な問題の一つである.2012年の推計では,全世界で1億6200万人から3億2400万人が違法薬物を使用しており,そのうち1600万人から3900万人が常習的に薬物を使用しているか薬物摂取関連障害であるとされる1).使用されている薬物やそれによって引き起こされる健康および社会上の問題は国・地域によってさまざまであり,それらへの対処戦略も国によって“テーラーメイド”される必要がある.
また,薬物のコントロール(製造,流通および使用)に関する国際的な枠組みは,薬物に関する3つの国際条約2)が定めているが,それらの解釈と適用についても,国や地域により大きな幅がある現実がある.
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