特集 労災医療と公衆衛生
海外業務と感染症
黒谷 一郎
1
Ichiro KUROTANI
1
1労働省労働基準局補償課職業病認定対策室
pp.85-89
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207863
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■はじめに
近年,日本企業の海外進出に伴い,海外で働く労働者が急速に増加している.法務省出入国管理統計年報によれば,業務を目的として海外へ渡航する者は,昭和50年には約365,000人であったものが,昭和60年には約762,000人と10年間で2倍と急増している.
こうした状況の中,日本人労働者は,技術指導などの目的のため開発途上国へ赴く場合も少なくなく,その結果,通常日本国内では感染リスクがないかまたは著しく低い感染症にり患する事例が見られるようになってきた.昨年,新聞等で報道されたラッサ熱などは記憶に新しいと思う.
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