公衆衛生人国記
島根県—成人病予防と公害問題を中心に
多田 学
1
Manabu TADA
1
1島根医科大学環境保健医学第1講座
pp.572-574
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207759
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成人病予防活動を中心に
島根県津和野町出身の森鴎外は文学者として有名であるが,本務はドイツ留学で学んだ衛生学を陸軍軍医として,日清,日露両兵役において実践したことにある.このことは,わが国の本格的な公衆衛生の草分けともいえる.また島根県の公衆衛生・地域保健といえば,第一線の活動を担当する保健婦養成所が昭和15年,県立松江高等女学校・浜田高等女学校に付設され,全国でも早くから保健婦教育に取り組まれていた県でもある.
島根県の地形は東西250kmと細長く,南に中国山脈を抱え,北は日本海に面して隠岐島を浮かべ,総面積は約6,626km2で,都道府県面積順位は第19位である.医療事情は島根医科大学が昭和50年に設立されるまでは,僻地の多い医療過疎の地域であった.島根県において公衆衛生活動に携わった人について述べるが,その職名はいずれも当時の現職名で書かせていただく.
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