日本列島
エイズ対策—岐阜
井口 恒男
1
1岐阜県衛生環境部
pp.353
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207476
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米国をはじめ西欧諸国,アフリカ,中南米など,エイズの蔓延は世界各国に恐怖の嵐となっている,WHOの1986年12月の集計によれば,患者は米国の27,519例を筆頭に76ヵ国36,229例にのぼっており,日本では25例である.1カ月後の1月には初めて女性の患者1例が報告され,日本においても欧米並みの蔓延の恐れが強くなっている.日本での1987年1月での26名の患者のうち,14名は血友病患者で欧米からのエイズ汚染血液を介して感染したものとされ,10名は既に死亡している.同性愛者は10名で,5名が死亡しており,致命率の高さは欧米と同様である.
ところで,神戸市の女性患者が6,7年前に同性愛経験のある外国人船員と性交渉により感染したものとされ,その後100人近い男性と売春していたことが報道されて,地元ではパニック状態となったようであるが,昨今のセックス産業の氾濫からみて,どの県においても起こり得る事例と思われる.
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