特集 赤痢(Ⅱ)
細菌性赤痢及び疫痢の病理解剖
足立 平
1
1東京都立豊島病院
pp.23-27
発行日 1954年8月15日
Published Date 1954/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201439
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I.緒言
臨床上赤痢症状を呈し,剖検に際して腸管に所謂赤痢様病変を認める疾患は種々ある。即ち細菌性赤痢の外に原虫(Aamoeba・Balantidium・Trichomonas)性赤痢,蠕虫(日本住血吸虫)性赤痢,結核,金属化合物中毒(砒素・水銀・昇汞・蒼鉛等)或は尿毒症の際に見られる。然し赤痢菌の各種の菌型,菌種が発見されるに及んで流行性赤痢の診断は病原菌によつて範囲を限られ,他の類似疾患と区別されるに至つた。更に本邦では小兒にみられる中毒症状のつよい特殊の疾患,即ち疫痢からも赤痢菌が証明されることが多い。
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