特集 肥満/標準体重
成長にともなう形態の変化—新肥満判定法の提案
保志 宏
1
Hiroshi HOSHI
1
1東京大学医学部解剖学教室
pp.440-446
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207074
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■はじめに
昭和59年2月,日本規格協会から「日本人の体格調査報告書」が刊行された(非売品).これは通産省工業技術院が既製衣料品のJIS規格を改訂するために行った生体計測調査の結果を集約したもので,被検者46,000人は北は旭川,南は鹿児島に至る全国15ヵ所の都市部から得られた.計測項目数は,生後4ヵ月から4歳まで19項目,学齢期26項目,成人(60歳まで)33〜35項目に上り,各年齢群の被検者数は,4〜19歳は1年ごとに600人以上1,000人未満,20歳以上は5年ごとに600人以上1,000人以下となっている.
この調査は上記のごとく,衣料品の規格改訂のために行われたものであるので,被服学独特の計測を多く含んでいるが,一般的な意味での体格・体型をも把握できるように配慮されている.これだけ多項目で多人数のデータは,他に全く類を見ないものであって,医学的な立場で日本人の体格の現状を知るのにも有用である注1).
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