特集 公衆衛生の研家・教育・実践
公衆衛生看護の研究と実践
三品 照子
1
Teruko MISHINA
1
1神奈川県立看護教育大学校
pp.33-38
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206808
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■はじめに
公衆衛生看護を実践する保健婦の機能や役割,活動内容,方法,さらに働く姿勢などについては積年の論議があるが未だに結論が出ていない.特に老人保健法の制定,施行に至る過程のなかで保健婦の役割についての期待は多様化してきた.
例えば,「老人とはすべて個の対応でなければならない.従来のような,マスと理論中心の指導をしていたのでは保健婦が不要となるであろう1)」という意見や「老人個人への援助だけでなく介護者や家族への援助,地域全体の問題を把握し,解決する方策を講じることが保健婦の役割である2)」といわれたり,「複雑多様化している地域住民のニードへの対応の遅れが保健所の地盤沈下に繋がったと言っても過言ではない.老人保健法は,保健婦による公衆衛生活動を再起させるチャンスである」3)とも言われている.
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