特集 公衆衛生の研家・教育・実践
公衆衛生における社会学的研究と実践
園田 恭一
1
Kyoichi SONODA
1
1東京大学医学部保健社会学
pp.9-13
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206802
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■公衆衛生の展開と社会学的接近への期待
1.コミュニティの組織的努力を通して
「公衆衛生における社会学的研究と実践」というテーマを取りあげる際には,そこでの公衆衛生とは,ということがまず問題となるであろうが,本稿ではとりあえず,「もっともよく知られ,また一番広く受け入れられている公衆衛生の定義」(ハンロン))1)とされているウインズローの規定を出発点として先にすすむこととしたい.
ウインズローは,1920年に発表した論文において,「公衆衛生とは,コミュニティの組織的な努力を通して,疾病を予防し,寿命を伸ばし,身体的,精神的健康と能率の増進をはかる科学であり,技術である」という,後に長く各所で引用されるようになる定義を提唱したのである.
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