研究
最近の蟯虫感染の疫学的解析—石川県における調査成績をもとに
近藤 力王至
1
,
吉村 裕之
1
,
大西 義博
1
,
赤尾 信明
1
,
岡本 敬
1
,
高倉 吉正
1
Kaoru KONDO
1
,
Hiroyuki YOSHIMURA
1
,
Yoshihiro OHNISHI
1
,
Nobuaki AKAO
1
,
Takashi OKAMOTO
1
,
Yoshimasa TAKAKURA
1
1金沢大学医学部寄生虫学教室
pp.523-526
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206742
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■はじめに
近年,蛔虫,鞭虫,鉤虫などの一般寄生虫卵陽性者は減少の一途をたどり,現在全国的にみてその虫卵検出率は0.1%以下になった.これにくらべ現在でもなお5%台(日本寄生虫予防会:1982)の蟯虫卵検出率がみられ,ここ数年,増加しつつある傾向が指摘されている(藤井:1978,大西ら:1978,吉村ら:1980,1981,1982,神奈川県予防医学協会:1981).しかし,その実態ならびに疫学的背景については必ずしも充分には明らかにされていない.
そこで著者らはここ数年来,石川県内各地の幼児,小学校児童を中心に,全県的な蟯虫感染状況の調査と検討を行なってきた.今回はこれらの成績をもとに蟯虫感染の疫学的解析および考察を行なったので,その概要を報告する.
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