特集 地域社会と医師会
学校保健と医師会
尾木 文之助
1
Bunnosuke OGI
1
1高知県医師会
pp.489-493
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206736
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■医師会は学校保健をどう捉えているか
日本医師会編の「医師のための学校保健」の冒頭に,医師会が学校保健をどう位置づけているかが,端的に示されているので引用する.「医師の天職は,治療医学や予防医学はもとより,健康増進やリハビリテーションを包含する,いわゆる包括医療を推進することによって,人の生命と健康を生涯を通じて守るという,国民それぞれの生涯保健を担当することである.現在の医療は,医師対患者1対1の関係から,医師対患者家族の関係,医師対地域厚生行政の関係,医師対地域保健の関係等多様化されており,しかもそれらは統合化された機能としての活動が要求されている」「医師がこのような天職を遂行するのに最も好都合な場は地域社会である」とした上で,「学校時代は生涯のうちでも,健康生活に必要な知識技術を身につけるのに最も適し,一生の健康の基礎が固まる時期であって,学校保健は生涯保健の中でも最も重視しなければならない一節である.」「また一面,児童・生徒自身からみても,彼等の生活時間のうち学校で過すのは,1日24時間の約1/3にすぎず,他の時間はすべて家庭及び家庭をとりまく地域社会で過す.
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