特集 健康教育時代
保健婦による健康教育のあり方
平山 朝子
1
,
北山 三津子
2
Asako HIRAYAMA
1
,
Mitsuko KITAYAMA
2
1千葉大学看護学部地域看護学講座
2千葉市役所保健衛生部保健指導課
pp.20-24
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206636
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
衛生教育,健康教育,保健教育という言葉は,時には同義語のように用いられている.公衆衛生活動における衛生教育は,「個人および社会の公衆衛生に関する意欲を旺盛にし,その協力によって住みよい環境と,社会的にも個人的にも合理的な日常生活を実現するための組織的な社会教育であり,文化運動である.」(栗原,他:衛生学・公衆衛生学,金原出版,昭和30年)とされている.一方,健康教育という言葉では近年健康な人あるいは半健康な人や慢性疾患をもつ人に対する食事や運動の処方を諸検査にもとづき示して健康増進のプログラムを指導するなど個別の健康教育面が強調されている。これらを同義語としてまとめてしまうと,公衆衛生活動としての組織的な問題解決と個人的解決とが混同されてしまう.
また,広くヘルスケアの諸活動を考える場合には,病人など健康障害を有する人を対象とした教育的アプローチ,すなわち,Patient Health Educationをも含めなくてはならない.看護の領域では,患者教育,Patient Education,Nursing Instruction,保健婦の実際活動としては個別保健指導,集団指導(糖尿病や高血圧の教室,精神障害者のデイケアなど)がこれにあたる.
![](/cover/first?img=mf.1401206636.png)
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.