特集 難病対策と福祉
主な内臓系難病の臨床的知識
奥村 英正
1
,
上田 征夫
1
,
荒牧 琢己
1
Hidemasa OKUMURA
1
,
Masao UEDA
1
,
Takumi ARAMAKI
1
1日本医科大学第一内科
pp.314-319
発行日 1982年5月15日
Published Date 1982/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206519
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1.再生不良性貧血
本症は,骨髄の機能低下により末梢血の赤血球,白血球,血小板の3要素が著しく減少し,造血剤に反応しない貧血症である.これは原因不明の特発性と続発性と先天性の3群に大別される.続発性とは,放射線や薬剤(クロランフェニコールなど),化学薬品(ベンゾールなど)などによって,二次的にくるものをいう.先天性はFanconi型,Erstren-Dameshek型などあるが稀である.本邦では特発性が多い.成因として幹細胞障害説と,骨髄の造血stromaの障害説とがある.
貧血は徐々に進行するので比較的貧血に耐えるが,やがて顔面蒼白,息切れ,倦怠感,浮腫などがあらわれ,また血小板減少による出血傾向すなわち紫斑,鼻出血,歯肉出血,生理出血が長くなるなどがくる.時に脳出血をおこすと死亡する.
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