講座 臨床から公衆衛生へ
プールと学童の心臓病
大国 真彦
1
1日大小児科学
pp.658-660
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206372
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心臓病に対する無理解■
毎年夏になると心臓病の子どもを持つ親が病院を訪れてくる.その最大の悩みは,「学校でプールに入れてくれない」ということである.
専門医が「心臓病は軽症だから,運動制限は不用で,何をやってもよい」という診断書を出していても,学校側では「事故が恐ろしいから」ということでプールに入れない,ということが少なくない.極端な例では,14歳の女子で軽症の心室中隔欠損がある例は,身長も高く発育良好であるので,後述する管理区分は「3-E-可」ということで何をしてもよい,となっていた.この中学生はバレーボール部に入りエースアタッカーとしてチームを優勝までさせており,激しいトレーニングにも耐えているのに,水泳だけはさせてもらえない.このようなことは学校関係者のプール恐怖症によるものであろうし,ある意味では心臓病に対する無理解のためかとも考えられる.
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