調査報告
アデノウイルス4型による咽頭結膜熱の集団発生
上羽 修
1
,
平松 宗成
1
,
井上 正直
1
,
石田 立夫
1
,
二宗 壮夫
2
,
宇野 直道
3
,
実成 文彦
4
Osamu UEBA
1
,
Muneshige HIRAMATSU
1
,
Masanao INOUE
1
,
Tatsuo ISHIDA
1
,
Takeo NISHU
2
,
Naomichi UNO
3
,
Fumihiko JITSUNARI
4
1岡山県環境保健センター
2岡山県衛生部公衆衛生課
3岡山大学医学部ウイルス学教室
4岡山大学教育学部養護教育基礎医科学
pp.665-668
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206375
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はじめに
咽頭結膜熱は別名プール熱とも呼ばれ,遊泳用プールを媒体として爆発的に発生することが多い1).本症の流行は主にアデノウイルス3・7・14型の感染によるが,1・2・4・5・6型による散発例も明らかにされている2,3).殊に4型については,1979年D'Angelo4)がプールを介した咽頭結膜熱の大規膜な集団発生を報告しており,本症の新たな流行型とみなされた.わが国でも本型による急性熱性疾患などの感染症が近年急増しているが,咽頭結膜熱の報告は少ない.
1980年夏,われわれは岡山県倉敷市の一小学校で,プール媒介性と考えられるアデノウイルス4型感染による咽頭結膜熱の集団発生に遭遇した.そこで,その疫学調査と一般住民の抗体保有状況を調査したところ,今後も本型による咽頭結膜熱発生の可能性の強いことが示唆された.
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