特集 第21回社会医学研究会総会報告
自由集会Ⅰ〜Ⅲ 抄録
神谷 昭典
1
1中京女子大
pp.157-160
発行日 1981年2月15日
Published Date 1981/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206257
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Ⅰ.私の生きてきた時代と「医療の社会化」(続)--曾田長宗
■社会衛生学のこと
1922年(大11)に私は大学へ入り,26年(昭元)に卒業しましたが,その間23年9月に関東大震災にぶつかったことを先回お話しました.私たち学生は東京帝大セツルメントに加わって,震災の救援活動をやっていたのですが,そのころ同じ国民健康保護といってもずいぶん違う考えがありました.
ひとつは,「公衆衛生」の発達した英米流のもので,まず健康の問題が何より重要なんだ,被災者が一斉に,平等に救済されることが必要なんだ,というもので,ロックフェラー財団からは,ただ病院で医者の手伝いをするというのではなく,もっと積極的な対人保健サービスのための要員養成ということになら相当の資金援助をしよう,という話も来ていたのです.
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