特集 80年代の展望—保健・医療・福祉
80年代における海外医療協力のポイント—他国に学ぶ謙虚さ
佐藤 智
1
Akira SATO
1
1北里大学医学部内科
pp.46-51
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206009
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■はじめに
1970年代までの日本の「海外医療協力」は「持てる国」から「持たざる国」への援助であった.その根底に「日本が開発途上国にしてあげるのだ」という姿勢があったことは否めない.現在,日本と他国間との援助・協力をみるとき,近視眼的な日本の利益を重んずる協力や,両国間の形式を整えるための彌縫的援助が残念ながら眼につく.
1980年代を迎えるに当たり,われわれは「海外医療協力とは何か」を自ら問い直さなければならない.そして地球上に住む四十数億の人類の健康のために,相互が協力することの意味と具体的な方策を追求してゆかねばならない.
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