講座
放射線管理
鎌田 力三郎
1
,
浦橋 信吾
1
1日本大学医学部放射線医学教室
pp.730-735
発行日 1979年10月15日
Published Date 1979/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205949
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
わが国でも放射線防護と管理は,国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づいた諸法規に従って,実施されている.
最近,放射線防護に関連する問題や,低レベル放射線被曝による生物学的効果などの知見が,より明らかにされてきた.これに伴い,ICRPの放射線防護などに関する考え方も変わってきた.原子力を含めた人工放射線と放射性物質の利用は医療をはじめ,あらゆる産業分野で今後も増加すると考えられる.放射線利用の健全な発展には,科学的な裏づけのある知見を基礎にした放射線安全管理が行なわれることが重要である.また,放射線作業従事者が放射線に関する知識を十分に有していることも必要である.そこで本講座では,(1)放射線の種類と被曝線量,(2)放射線障害,(3)医療被曝,次いで(4)放射線管理および筆者らの施設における放射線作業従事者の被曝の実情を述べ,(5)1977年のICRPの要点について解説し,読者の参考に供したい.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.