特集 医師会の地域社会活動
市レベルにおける医師会の地域社会活動—高崎市医師会
箕輪 真一
1,2
1高崎市医師会
2群馬大学・公衆衛生
pp.12-16
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205750
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■はじめに
医師法第1条に「公衆衛生の向上及び増進と国民の健康な生活の確保」が医師の任務と規定されている.しかし,こうした認識から生まれる医師の行動は,その立場や専門職によってさまざまである.われわれのように地域に居住して診療に従事している医師および医師集団(医師会)は,変貌する地域社会の渦中にあって,限られた能力ではあるが,医師としての社会的使命感をもち,あくまで自由意思で意欲的に地域社会活動に取り組まなければならない立場にある.
わが国の医師会の組織からすれば,われわれのような郡市医師会は,最も下部の組織の一単位に過ぎないが,地域住民と直接関係した,いわば現場を持つ医師会である.こうした各地の郡市医師会は,結局は細胞の一つ一つとなって,日本全土を埋め尽くし,それぞれの医師会はその地域特性に対応した社会活動を続けている.したがって地域の医師会は,わが国の医療行政の中央集権型とは全く逆のタイプの性格をもっているといえよう.
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