特集 地域の健康管理
住民の健康は保健衛生教育の体制づくりから—福島地区衛生組織連合会の活動
飯沼 伝
1
1福島地区衛生組織連合会
pp.418-422
発行日 1976年6月15日
Published Date 1976/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205206
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
私は地区組織の活動を推進する指導上の立場から,地域における公衆衛生の向上と衛生教育の啓蒙を図り,住民の健康を守る,明るい豊かな住みよい地域づくりを展開して,住民の健康管理に努力しているが,近年の著しい高度の経済成長は人口の構造,社会構造に大変遷をもたらし,行政は広域化や中央集権化,重化学工業化,都市化に重点をおいて,国民総生産は類例のない急速な伸展をみた.しかしその反面では,都市における,さまざまな過密の弊害を来たし,中央,地方を問わず産業間の格差の増大,地域階層の分化,自然の破壊と生活環境破壊行為や交通事故の続出,公害発生などにより,今や社会の注目すべきあの悲惨な公害病などが起こり,地区住民の生活と健康をめぐる社会的な問題が,これからもさらに深刻化するであろう.
今やこのような現況のなかで,住民の健康と福祉の増進・向上を目的として地域の組織を強化し,保健衛生に関する教育活動を推進して住民の健康管理に万全を期さねばならない.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.