日本列島
地方造船所の公害騒ぎ—宮城県/札幌市北保健所誕生
土屋 真
pp.140,195
発行日 1974年3月15日
Published Date 1974/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204813
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三陸沿岸の漁港,気仙沼港の湾奥には多くの中小規模の造船所があって,野天で作業が行なわれている.このため粉塵や塗装用ペンキ,船舶を洗う海水などが附近住宅や通行人に飛散し,また騒音が住民の苦情としてたびたび訴えられた.
ことに3年来,鉄鉱船の錆とり用として使用されてきたブラックダイヤサンドという鉱石にカドニウムを含有していることが分って,住民の不安感を増させ騒ぎとなった.それ以前は硅砂が使われてきたが,現在は硅砂と五色砂が用いられている.県公害技術センターと市の調査により,粉塵,海水,米,岸壁下の海底底質中のカドニウム含有量は,基準等よりはるかに微量で問題ないとされたが,騒音は基準をこえていた.
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