特集 公衆衛生教育
フランス国立公衆衛生学校留学記
華表 宏有
1
1琉球大学保健学部疫学研究室
pp.759-761
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204754
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わが国の公衆衛生学徒としてフランスに留学した例は今までにもあまりないようである.私が知りうる範囲内でこれらの諸先輩の御名前を挙げてみると,阪大の梶原三郎名譽教授,大阪府立公衛研の万代敬三博士,東京都の岡部宗雄新宿保健所長,それに故人となられた広川太刀雄博士ぐらいであろうか.これは過去におけるわが国の医学部での外国語教育そして近代公衆衛生の発展の歴史を考えれば,もっともなことである.
しかしフランス語か英語と並んでWHOなどの国際機関で共通語として使用されていることと,わが国がこれから国際保健の分野で果たしていくであろう役割を考えた場合,われわれの仲間の中にフランス(そしてフランス語圏諸国)の公衆衛生に関心を持つ者が1人や2人いても決しておかしくないはずである.この意味で私は1970年10月から1年間フランスの国立公衆衛生学校へ留学したことが,短かい期間ではあったが,それなりに貴重な経験であったと思っている.
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