特集 危険な日用品
座談会
危険な日用品
豊川 行平
1
,
村中 俊明
2
,
西川 滇八
3
1東京大学衛生学
2国民生活センター
3日本大学公衆衛生学
pp.652-664
発行日 1973年10月15日
Published Date 1973/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204732
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西川(司会)本日は"危険な日用品"ということで座談会を開かせていただきます.これはこの号の特集の表題ですが,各論的な面はともかく,総論的な面につきましては,なかなか難しくて,現在のところまとめていただく方もありませんし,しかも,いろいろな新しい危険な日用品がつぎつぎと出てまいりますし,知らぬ間に出回っていて,事故が起きて気がついたり,これからもまたあらわれてくるだろうと思います.というわけで座談会で取り上げることになりました.
1972年の6月にストックホルムで初めて国連の人間環境会議が行なわれまして,環境汚染を防止する国民的な運動が,わが国でも始まったわけでございます.大気汚染,水質汚濁,騒音,振動,悪臭,地盤沈下,土壌汚染という7種類の公害問題に対する認識が一般的に定着してまいりました.しかし,先日来,テレビ,新聞などで報道されていますように,第三の水俣病が出てまいりまして,まだ公害病についてもいろいろな広がりを持ったもの,あるいはほかの種類の公害病も出てくる危険性が残されているわけでございます.
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