発言あり
母親の蒸発
N
,
S
,
M
,
H
,
K
pp.361-363
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204672
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過保護社会
父が働き,母が家をまもり,子を育てる.それが人間形成に必要な基本的環境だと思つていた.社会の変動は父を無能にし,母を逞しくし,家庭の基礎を変えてしまった.母が強くなりすぎ,父親が蒸発した.母親が強くなったと思ったのは錯覚だった.女に孕らませれば父で,出産すれば母なのだ.家を考えず,子を思わない親では,蒸発はちっとも不思議ではない.
夫の仕打ちに耐えかねて蒸発した母親が,「子供のことを一日も忘れませんでした」と涙ながらに語ったという記事のいかにそらぞらしいことか.
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