日本列島
交通警察官の血中鉛—北海道/石狩支庁管内保健所連絡会議開く—北海道
原
pp.175,198
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204636
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マイカーなど自動車の増加に伴い北海道においても主要都市で排気ガスによる大気汚染が問題となっているが,この排気ガス中の鉛の影響について北大医学部斎藤助教授らにより,第31回日本公衆衛生学会(於札幌市)で報告された.
調査は,昭和46年10月,道警のパトカー,白バイの乗務員203名を対象に,大都市(人口100万以上札幌)中都市(同5万〜20万未満=小樽,室蘭,苫小牧,岩見沢,千歳,江別,滝川,夕張)小都市(同5万未満=余市,倶知安,伊達紋別,静内,浦河,門別,赤平,芦別,栗山,三笠,美唄,砂川)の三つに分類し,おのおの血中鉛量の測定を行なった.同時に全血比重,細管ヘマトクリット値,血球中S-AL A-D活性測定も行なった.この結果,大都市勤務者の血中鉛量は小都市に比べて有意に高く(危険率1%)また,中都市との比較でも危険率5%で同様の結果が得られた.都市別に比較すると,中・小都市の平均値はいずれも8〜9μg/dl程度であるのに対し,大都市札幌(検査対象115名)では最高31.1最低4.5平均10.14μg/dlであった.また中都市のうちでも小樽は(同9名)最高16.5,最低6.6,平均11.39ug/dlであり,千歳(同4名)で最高最低平均と平均値は本札幌に比べ高くなっている.これは,小樽では空気が停滞しやすい地形であり,千歳は航空機の排気ガスの影響によるものとみている.
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