特集 国際保健
関連機関の沿革と活動
東南アジア医療保健機構(SEAMHO)
白幡 友敬
1
1日本国際医療団
pp.441-443
発行日 1972年7月15日
Published Date 1972/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204504
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当初AMCO(アジア医療協力機構)と仮称され,その後AMO(アジア医療機構)と改められさらに去る2月初旬の関係国専門部会でSEAMHO(東南アジア医療保健機構)と呼ばれるようになった.この新しい地域医療協力国際機関の構想は,すでに5年ほど前からわが国においては発足したものであるが,迂路曲折を経て,今春,東京で開催された東南アジア経済開発閣僚会議の作業部会で取上げられ,日本を含む関係9ヵ国の間でほぼ基本構想がまとまってきた訳である.
わが国の開発途上国に対する医療協力は,すでに昭和41年以来,いわゆる2国間方式と呼ばれる方法で,アジア,中近東,アフリカ,中南米の各国に対し,今日までに40億円以上の資金を投入し(無償援助),各種の医学医療センター,巡回診療,調査団派遣,医療器材,薬品などの物資援助の形で行なわれてきたが,資金や物資による援助もさることながら,医療協力にたずさわる専門家の派遣,あるいは開発途上国からの研修生の受入など人材に関する協力に関しては,並々ならぬ努力を必要としており,今後も益々困難を加えてくる問題と考えられている.他方,先進国側から開発途上国に対する協力事業が,経済開発から社会開発へその重点が移行しており,特に医療協力事業を強化する必要ありとの考えが,わが国政界筋からも唱えられるようになってきた.
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