北から南から
もと下水路に今泳ぐ鯉のむれ—河川愛護運動の成果/婚前学級アンケート—岐阜中央保健所第8回受講者
S. D.
,
M. K
pp.164,177
発行日 1971年3月15日
Published Date 1971/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204223
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日本の三大天満宮のひとつ.山口県防府市にある天満宮参道に通ずる街の中心部を流れる,1年前の下水路(迫戸川)が,ごみも川草も枯葉一つとない清流にうつり変り,今は色とりどりの鯉が,通行人の目を楽しませ,附近の風景を一新して,小規横な観光地となっている.死んでいた延長1200m,幅3mの迫戸川は1000世帯の愛護のもと蘇えり,今や全市民に,また県民に自然愛護と環境美化の公徳心を培い,地域ぐるみの協力・意欲の成果を如実に語り,現在山口県下に「メダカもふなもキレイな川でうれしそう」を合言葉として,迫戸川に右にならえと,挙って河川愛護運動を,地区衛生組織活動のテーマとして,大展開している.
地区衛生組織活動は,新しい壁に行き詰った時代と,一般にはいわれているが,地区住民の共通問題として,それを自分たちの問題として,理解・認識の上に取り組めば,その反響と実践度は,社会連帯性の欠如のこんにちとはいえ,かつて昭和30年前半期にみる成果より以上の期待すべきものが実証され,ぜひご紹介いたしたい.科学的・合理的かつ実際計画であり,河川隣接家庭の一戸一戸の趣旨の説明と理解・認識をうるその努力,さらには河川に不法投棄の原因と見られる自家処理家庭の戸別調査による地区診断からはじまり,すべて町内指導者の不断の根性と,住民の自主的参加が,この際大きな原動力になっていた.
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