特集 秋田県の公衆衛生活動
脳卒中予防ヘスタートをきつた秋田県の公衆衛生活動
鈴木 尚夫
1
1秋田県厚生部公衆衛生課
pp.481-487
発行日 1970年8月15日
Published Date 1970/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204121
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未開発の時代のあるいは地域の公衆衛生は,よく「啓蒙」という言葉が用いられ,住民は何も知らない,おろかであるという立場に立って,事業がすすめられてきた.東北地方の日本海岸の1つの県である秋田県は,もう未開地ではないし,1970年代は,近代意識に目ざめた人びとの新しい時代であることを心に銘じて,公衆衛生活動をすすめてゆくべきであろう.行政の権力で,強制的に,「施策」という名前の「ほどこし」を,民衆に与えるのではなく,憲法第25条に明示されてある国民の生存権を保障するために,秋田県民の1人1人が自発的に健康を守ろうとする要望に応える機構を,整備してゆかなければならない.
秋田県は,もう未開地ではないと意気込んでは見たものの,その実状をみると,地理的条件などから,医療体系の有機的整備が充分であるとはいい難い.昭和42年末における,都道府県の医師数および,その人口10万対の比率は,秋田県は,人口10万対79.3という医師の比率で,下から第3位である(42頁参照).
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