北から南から 北海道
多房住包虫症(エヒノコックス)根室市に発生
K. S.
pp.285
発行日 1969年5月15日
Published Date 1969/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203875
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昭和40年12月21日,この日まで,人々は多房性包虫が北海道の礼文島にだけ存在すると信じて疑わなかった.ところがその日,千島にも礼文島にも居住歴のない根室市民が続いて同症患者と判明したのである.
だが,いっこうに不思議なことではなかろう.礼文島が大正12年ごろ,森林保護のため中部千島より紅狐を移入したため同症を持ち込んだのと同様,根室が千島諸島と近接しているためらしい.漁業基地として,養狐業として,戦前戦後,人畜の往来は激しかった.現在,これら諸島からの引揚者は市内に1442世帯(14.4%)いる.
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