抄録
大変な歓迎をうけている地域保健所
白石 陽治
1
1日大公衆衛生学教室
pp.37
発行日 1969年1月15日
Published Date 1969/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203804
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アサチューセッツ州,ボストン市のタフツーコロンビヤ・ポイント保健所は,開所20カ月でその地域の住民の87%に当たる5300人の訪問を受けた。タフツ大学医学部予防医学科の主任Dr. D. Gibson, Jr.,とDr. H. J. Geiger教授は,地域社会が保健の問題に開心を高めたことを示しているという。過去25年間,医師は医療サービスの中心として,病院に接近する傾向が強く,それが医療問題における理念的でかつ支配的でありその目指すところは外来患者への医療を向上させようとするものであったが,実際は基本的な医療を必要としている地域社会から病院とその職員をしだいに遠ざけるという不幸な結果になった。それに対し地域保健所は,その地域社会の真中にあり,その地域の問題はそのまま保健所事業に影響を与える。
地域保健所が担当する人口は6000-2万5000人程度であるから,検査室の自動分析機,小型X線装置,薬局など大病院で偉力を発揮した新技術はそのまま適用される。保健所の開設当初はコロンビア・ポイント保健協会とよく協力したが,しだいに忙しくなると連絡は疎遠になり,保健所の事業は発展を続け,しだいに独立性を増してきた。
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