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食品衛生法など従来の法規の再検討を—ユリア樹脂製食器からホルマリン検出の事件を考える
村松 博雄
pp.590-591
発行日 1966年10月15日
Published Date 1966/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203360
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主婦連ではこの8月17日に研究会を開き,「ユリア樹脂製プラスチック食器の中に熱いものを入れると人体に有害なホルマリンが出てくる」と発表した。同連合会の日用品試験室でテストした結果わかったもので,主婦連では明日,「試験法を改めるとともに,ユリア樹脂食器の製造販売を禁止してほしい」と申入れた。
問題のユリア樹脂(尿素とホルマリンを合成したもの)食器は,現在かな一般に出回っており,とくに赤ちゃんや子ども用のコップやスプーンに多く使われているという。ユリア樹脂食器類は,零細企業によるものが多い。しかし,
(1)JIS(日本工業規格)の原料を使う。
(2)製品をつくる時,熱を十分加えてホルマリンが遊離しないようにする。
(3)製晶ができたあと加熱して,遊離したホルマリンを除く。
というような方法をとればいい。ところが業界の競争がはげしく,できるだけ安くつくらなければならないため,熱処理の時間を短くして能率を上げたり,安いJIS規格以外の原料を使うようになってくる。
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