特集 母子保健
活動
母子の健康をいかに護るか
農村の母子衛生活動—とくに東北地方における乳幼児長期保健指導による成果について
石川 淳一
1
1東北公済病院小児科
pp.72-76
発行日 1966年2月15日
Published Date 1966/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203190
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はじめに
私は昭和23年秋以来,今日まで,多数の保健婦諸姉と,関係各位の協力をうけて,東北地方,特に宮城県農山村地区において,乳幼児の保健指導を実施してきたので,この長期継続保健指導による成果を報告し,ご批判を得たい。
終戦以来,逐年,都市はいうまでもなく,農山村においても,小児の保健指導,特に集団育児指導が急速に普及実施され,保健管理は改善され,乳児死亡率の低下となって現われていることは喜びにたえない。しかし,乳児死亡率以外の,長期継続保健指導による成果についての報告は,若生3),松村5)など以外にきわめて少い。もちろん,農村特有の生活環境や習慣などから,短期間に,母子衛生の問題を解決することは困難て,一朝一夕にその成果は期待できないが,わが国でも,最も立ち遅れている東北地方において,長期に指導した場合,小児の発育(今回は体重の発育について)が,どの程度改善され得るものかを検討してみた。
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