綜説
日本に多い本態性高血圧と脳卒中の環境因子に関する学説の吟味,特に寒冷刺激に対する考察
佐藤 徳郎
1,2
,
松下 寛
3
1国立公衆衛生院栄養生化学部
2日大医学部,衛生
3国立公衆衛生院疫学部
pp.87-101
発行日 1964年2月15日
Published Date 1964/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202794
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Pickeringは本態性高血圧の性質に関する著書1の緒言で "I have not tried to smooth the corners, because I believe that controversy is the life-blood of science. Disagreement stimulates the collection offurther evidence".と云っている。また緒論の始めに "Science abvances not by the accumulation of newfacts, ……but by the continuous development ofnew and fruitful concepts".というConantの言を引用している。
日本の脳血管損傷による死亡は総死亡の5人に1人,老人の死亡の約3人に1人に達し2),宮城県などでは40才以上の死亡の半数を占めている。その成因を解くことは予防に直結しており,医学に従事するものにとり大きな関心の一つである。その成因につき種々の学説がでているが,それを併列で眺めることでなく,そのどれが適合するか,あるいは他の因子を考えなければならないかを検討するのは,その間題を解決するための一つの近接法であり,現段階で最も必要なことの一つである。
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