特集 母子衛生
臨床医学的母子保健と公衆衛生学的母子保健—母子保健における研究姿勢はこれでよいか
水野 宏
1
1名古屋大学医学部公衆衛生学教室
pp.513-514
発行日 1962年9月15日
Published Date 1962/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202565
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わたくしに課せられた問題は「母子衛生研究の動向」てあったが,同じ問題は他の方にも出ているようなので,わたくしには定石的な記述でなく,母子保健の実際と研究の両面にわたって,従来比較的なおざりにされていると考えられる問題をとりあげて,今後の研究の方向を考えてみることを許していただきたい。
この特集にもられたテーマをみて強く感ずることは「あまりにも臨床医学的な」ということである,この内容は小児科の臨床雑誌が企画してもちっともおかしくない,というよりむしろその方がふさわしいくらいで,この企画のどこに公衆衛生の専門誌の特徴があるのであろうか。この疑問がわたくしとしてこのあまのじゃくな一文を草せしめる原因となったのだが,これは企画者の罪ではなくて,この内容はそのまま今日の母子保健活動と母子保健研究の実態をあらわしているのである。
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