綜説
地区診断における条件分析の論理と定式化
小林 治一郎
1
1神戸市衛生局医務課
pp.378-389
発行日 1962年7月15日
Published Date 1962/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202540
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1.問題の所在
公衆衛生活動ないし社会医学的な活動を行なうに当たって,自然科学的な方法のほかに,社会科学的な方法が用いられねばならないことはいうまでもない。そして公衆衛生活動あるいは社会医学的な活動に適用されうる社会科学的な方法ということについては,多くの人たちが深い関心を有し,今後多くの研究がなされなければならない。この小論も,そうした立場にたつものである。
最近「地区診断」という技法と学問的体系ができつつある。これは広くいろいろな職種の人たちの活動に適用可能なものであるが,現在では主として保健婦たちが,地域社会を対象として,集団的な保健活動を行なおうとするとき,採用されている方法である。それが「保健婦のための技術1)」とされ,「地区診断について保健婦が熱狂2)」しているといわれるほど,保健婦たちは広く関心を有している。
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