特集 ウイルス感染症の疫学
呼吸器系ウイルス感染症
福見 秀雄
1
1国立予防衛生研究所細菌部
pp.253-256
発行日 1962年5月15日
Published Date 1962/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202520
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本日の疫学ゼミナールは,ウイルス研究の特進班という日本ウイルス学会の事業の一部として行なわれるもので,班長からもお話があると思いますが,この特進班というのは特にその分野の研究が総合的な物の考え方で進んでいないというような問題がある場合に,それをこういうゼミナールを通じて押し進めて行きたいというような趣旨で作られたのであって,ここでエピデミオロジーの各論を詳しくしゃべって,それをディスカッスするという形よりは,むしろエピデミオロジーのなかの一つの問題,たとえば私の分担は呼吸器ウイルス病のエピデミオロジーでありますが,それを一つのテーマにしてウイルス学のなかのエピデミオロジーをどういう具合に,それから発展させなければならないかというようなことに対する話題提供の場にしてくれというのが,このゼミナールを促進された方がたの注文であります。そういうことですから,私の特に呼吸器ウイルス病のエピデミオロジーの各論のためのデーターを提供するという形ではなく,こういうようなテーマに対してウイルス学者がどういうふうな考え方をするならば,日本のウイルス学におけるエピデミオロジーの地位がますます発展して行くかというようなことに関連した主題提供ということにしたいと思います。
私ここで一つ問題を提供いたしますのは,アデノウイルスのエピデミオロジーというものに結びつけてみたいという案であります。
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